従来の宅地建物取引主任者から宅地建物取引士へ格上げされる宅建士試験。ネット上では難化も予想され不安の声も多いが、合格に向けてすべき学習は従来と変わらない。
具体的には得点源となる宅建業法を記憶し、権利関係などは理解中心の学習、その上で過去問を中心に演習を重ね、最後は模擬試験で総仕上げをする感じだ。
もっとも初学者の受験生の方には負担が重い。ましてや独学で合格を目指すとなると、さらに大変になる。そこで大切になるのが「ゴールから逆算した学習」である。具体的には中間目標を立て、その目標に向かい学習を進める。その目標の達成度合いの確認には模擬試験の利用が最適だ。
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この模擬試験、市販の書籍による模擬試験もあるが、やはり大手スクールによる模擬試験も受験しておきたい。そんな中で本試験同様に本格的なレベルで、なお且つ無料で受験できるのが、LEC東京リーガルマインド宅建士講座のゼロ円模試である。
このゼロ円模試、無料でありながら会場受験が用意されている。そして解説講義や成績の閲覧サービスも完備。そして平成28年度場合だと夏に実施されるので、ゼロ円模試で学習達成度を確認して直前期の学習に活用できる。なお会場受験・自宅受験共に受講期限があるので注意したい。
参考記事 【無料】LECゼロ円模試、学習進度の確認と直前期学習の指針に
模擬試験の受験に際しては、時間配分の管理と共に「思考過程のシミュレーション」を行ってきたい。宅建士試験で出題される問題の多くは、過去に出題された問題の焼き直しが中心となっている。
もっとも2時間で出題される50問が全て過去問の焼き直しと言う訳ではない。中には新作問題が出題されることがある。これは考えてみれば当然で、不動産業界に限らず社会では常に新たな論点が登場する。その際にどのようなスタンスで処理するのか?このように新しい状況・環境に対する処理能力を見るのは新作問題の利用が考えられる。
さて新作問題の解答方法だが、法律の条文の目的を考えるようにしたい。宅建業法ならば、宅建業者の規制による消費者保護だ。借地借家法ならば借り手の保護、民法ならば公平の視点だろう。このような条文の目的を考慮しながら妥当な結論に近い選択肢を選びたい。この作業だけでも正答率は上がるはずだ。
もっともこのような新作問題は全体の出題数比べれば少ない。圧倒的に多いのは過去問の焼き直しであり、したがって試験対策の学習も過去問を中心に取り組むことが大切である。
今回の記事で指摘したいことは、新作問題の対処方法と、模擬試験や本試験での思考過程についてである。それに加えて思考の訓練の場が模擬試験であり、その貴重な場でシミュレーションして欲しいと言うことである。