5月に実施される司法試験まで残り時間も少なくなった。司法試験のメインは論文式試験であることは間違いないが、思わぬ落とし穴になりそうなのが短答式試験である。
短答式試験は3科目(民法・憲法・刑法)
この短答式試験、平成27年度(2015年度)から民法・憲法・刑法の3科目に削減がされている。以前の7科目と比較して、受験生の方の負担が少なくなったことは間違いない。
司法試験短答式が3科目に、受験回数も5年5回に
法律系資格の最高峰である司法試験。その司法試験の短答式が現在の7科目から民法・憲法・刑法の3科目になる見通しとなった。これは2014年3月4日(火)に定例閣議で決定されたもの。これにより「司法試験法の ...
しかしながら、短答式試験には合格ラインが設定されており(絶対的評価)、この合格ラインを上回らないと論文式試験の採点がしてもらえないから厄介である。しかも短答式試験の実施は司法試験の最終日となるため、メンタル面でも大変だ。
基本的な攻略法とは?
この3科目に削減された短答式試験であるが、憲法の人権分野および刑法については、論文式試験対策の学習で充分である。具体的には重要分野の確認、そして公法系に関しては判例百選などで事例や、最高裁の判断枠組みの確認をしておきたい。
すなわち短答式対策に力を入れるとすれば、民法の短答式試験のみで知識が問われる「短答プロパー」と憲法の人権分野である(もちろん憲法・人権分野および刑法の過去問は解いておくことは必要だ)。
おすすめの要点集・LEC完全整理択一六法
そんな短答式試験向けの書籍であるが、限られた時間内での試験対策となるため、要点集の活用がベストだろう。具体的にはLEC東京リーガルマインドの「完全整理択一六法」である。その理由として以下の点がある。
- 情報量の多さ
- 条文・判例・過去問知識の情報を、図表・判例索引などを用い、見やすく整理されている
- 過去の出題を基にメリハリのある学習が可能(マークなどの活用)
この「完全整理択一六法(完択)」は、短答式試験のみならず論文式試験にも使えるほどで(重要論点の解説など)、情報量はとても多い。短答式試験の突破に向けて活用されることをおすすめしたい。完全整理択一六法の詳細はこちら(LEC)
▲ 条文の掲載の他、「趣旨」「注釈」「図表」などが掲載されている完択シリーズ(画像は完全整理択一六法「刑事訴訟法」から)
おすすめの過去問題集
一般的には過去問題集には、「系統別」と「年度別」の2種類がある。入門講座などインプット時期であれば、講義の復習と合わせて系統別過去問題集を利用するのがおすすめだ。
そして本試験の直前期で利用したいのが、年度別過去問題集である。実際の試験では、「確実に正解をすべき問題」と「時間を掛けるべきではない問題」がある。
この区別のトレーニングには年度別過去問題集がベストである。時間を計測しながら取り組むことで、時間管理や解く順番のシミュレーションにも役立つだろう。
[wpap service="with" type="detail" id="4587999970" title="司法試験短答式問題と解説〈平成30年度〉"]
スキマ時間の学習に一問一答問題集「考える肢」
受験生の方の中には論文式の学習の合間に、短答式の学習をする方も多いと思われる。そんなスキマ時間の学習におすすめなのが一問一答問題集である。
一問一答形式のため、本格的な過去問演習と異なり、短時間で学習が完結する。しかも短答プロパーは記憶するべき項目もある。このような記憶型項目については、細かい時間で繰り返し覚えるのが効果的だ。
そんな一問一答形式の問題集であるが、早稲田経営出版の「考える肢」をおすすめしたい。この「考える肢」では、現行の司法試験はもちろん、昭和時代の旧司法試験からも問題を厳選している。
そして分野によっては新作問題も掲載されている場合もある。またWセミナーでお馴染みの早稲田経営出版による制作である点もおすすめする理由の一つだ。
[wpap service="with" type="detail" id="4847142101" title="司法試験・予備試験 考える肢 (2) 民法(1) 2017年 (司法試験・予備試験 短答式・肢別過去問集)"]
まとめ
ここまで司法試験短答式向けの要点集・過去問題集・一問一答問題集についてまとめてきた。司法試験のメインは論文式試験であり、短答式試験は大きく失敗さえしなければ良い。
もっとも3科目化になり、以前よりも細かい点を問われることも想定される。ぜひ今回ご紹介した書籍などを利用し、短答式試験の突破、そして司法試験の最終合格につなげて頂きたいと思う。