司法試験への新たなルートとなる司法試験予備試験。法科大学院への入学者数減少と対照的に、受験者数も1万人を突破した予備試験。その予備試験の実施スケジュール、願書の入手方法、出願期間についてまとめたい。
その予備試験の2023年度(令和5年)の短答式、論文式、口述試験の実施スケジュールは以下のようになっている。
令和5年度(2023年度)本試験
出願期間や試験の実施スケジュール(短答式・論文式・口述)
タイムラインにまとめました
- 願書の配布
- 令和5年2月20日(月)~3月17日(金)
- 願書の受付(出願期間)
- 3月6日(月)~3月17日(金)
- 短答式試験の実施
- 7月16日(日)
短答式試験の解答速報はこちら
- 7月16日(日)
- 短答式合格発表
- 8月3日(木)
- 論文式試験の実施
- 9月9日(土)および9月10日(日)
論文式試験の解答速報はこちら
- 9月9日(土)および9月10日(日)
- 論文式試験の合格発表
- 12月21日(木)
- 口述試験の実施
- 令和6年1月20日(土)および1月21日(日)
- 最終合格発表
- 2月1日(木)
参考 令和5年度司法試験予備試験の実施について(法務省)
例年と違う点
令和5年度予備試験の実施スケジュールであるが、例年と違う点がある。
短答・論文・口述試験ともに約2か月遅れになっている
比較をしてみよう。
各試験 | 令和5年度 | 例年 |
---|---|---|
短答式試験 | 7月 | 5月 |
論文式試験 | 9月 | 7月 |
口述試験 | 令和6年1月 | 11月 |
最終合格発表 | 2月1日 | 11月 |
司法試験 | 5月 | 翌年5月 |
表を見ると分かるように、最終ゴールである司法試験は翌年5月の実施で同じ。それに対して、予備試験(短答・論文・口述)および最終合格発表はそれぞれ約2か月遅れだ。
つまり、口述試験から翌年5月の司法試験までの時間が少なくなる。この調整が合格へのカギとなる。あの合格率の高い予備校が教える「予備試験に1年で(最短で)合格する勉強法」とは?
ガチな学習法としては、「論文対策をメインとしつつ、短答対策は年明けから」というスタイルだったが、2ヵ月短くなるので、短答対策のスタート時期が今後の検討課題となりそうだ。
試験地
- 短答式 札幌市またはその周辺、仙台市またはその周辺、東京都またはその周辺、名古屋市またはその周辺、大阪府またはその周辺、広島市またはその周辺、福岡市またはその周辺
- 論文式 札幌市、東京都またはその周辺、大阪市またはその周辺、福岡市
- 口述 東京都またはその周辺
願書の入手方法
法務省での交付(郵送での請求含む)
願書の入手方法だが、司法試験委員会への郵送での請求の他、例年、法務省1階東玄関(日比谷公園側)での交付も行っている。
それぞれ交付期間および時間が決まっているので、詳細については法務省ホームページで御確認頂きたい。
https://xn--zck4axc0779atii.jp/yobi-gansyo-houmusyou/
xn--zck4axc0779atii.jp
スクール・予備校で入手する
大手試験対策スクールでも予備試験の願書を交付することが多い。なお、数に限りがあるので、早めの利用をおすすめしたい。
LEC東京リーガルマインド
LECでは例年において、一部校舎にて順次願書配布を行っている。なお、願書の引き渡しの際に、配布数管理のため引換票の記入が必要となっている。
また配布部数には限りがあるので校舎によっては終了する場合がある。このほか詳細については、(出願時期が近くなったら)LEC司法試験・予備試験講座のホームページで御確認頂きたい。
過去の年度ではこんな感じでした↓
全国のLEC各本校で、平成29年司法試験予備試験願書の配布を順次開始しました!
願書配布可能本校は以下の通りです。
水道橋・渋谷・新宿エルタワー・池袋・横浜・千葉・大宮・早稲田・立川・中野・梅田駅前・神戸・京都・札幌・静岡・名古屋駅前・岡山・広島・松山・福岡・那覇・仙台
各本校で在庫がなくなりましたら配布終了となりますので、ご了承ください。
また、LECでは出願代行を承っておりませんので、
必ず受験生本人が出願していただくようよろしくお願い致します。出願受付は1月16日から1月27日までです(消印有効)。ご注意ください。
引用「LEC司法試験・予備試験講座」
伊藤塾
伊藤塾各校でも予備試験の願書を配布している。こちらもLECと同様に予定数があるので、ご利用を考えている受験生の方は早めに受領されることをおすすめしたい。なお在宅校での交付も予定している。
辰巳法律研究所
辰已法律研究所の各本校(東京・大阪など)でも、「予備試験願書セット」を配布する予定。この「予備試験願書セット」であるが、受験案内等のほか学習に関する小冊子も。
なお、配布は無料であるが、各校窓口で「予備試験願書セット引換証」を記入する必要がある。
住所・氏名などの記入が必要です。講座パンフレットでも送られてくるのでしょうか
【参考】辰巳法律事務所・東京校はJR高田馬場駅戸山口からすぐ。なお、近くには伝説のゲームセンターと言っても過言ではない「ゲーセン・ミカド」がある。
坂を上ると東京校。また反対側にはヒューマンアカデミーも。玄関を入るとすぐに受付があり、そこで予備試験の願書等が手に入る。
解答速報まとめ
5月(令和5年度は7月)の短答式試験および7月(9月)の論文式試験の終了後には大手スクールを中心に解答速報の公開が実施される。特に一般教養など不安定な要素もある。ぜひ利用されると良いだろう。
短答式
LEC東京リーガルマインド・アガルート・Wセミナー・資格スクエア・伊藤塾・辰巳法律研究所などによる解答速報まとめ。無料成績診断サービスも。
論文式
LEC予備試験講座によるも模範答案など。
予備試験の最終合格を目指す受験生向けのおすすめコンテンツ
予備試験の難易度・合格率や傾向など分析ページ(LEC予備試験講座) 出願者数・受験率・合格点(合格ライン)など試験データの他、年齢別・職種別・過去の司法試験の受験経験など合格者のデータも。また短答式・論文式・口述試験の分析も行っており、試験対策の学習開始時に参考にしたい。
短答式対策動画
「予備試験合格講師が短答対策の秘訣を伝授!」。LEC司法試験講座の武山茂樹先生が、予備試験の短答式対策を動画で解説。科目別の出題傾向、学習法などについて。予備試験短答式で思わぬ落とし穴(いや得点源?)となる一般教養対策も。約1時間22分の収録内容。
令和5年度の出願者数は増える?ただし最終合格率は4%前後か
受験者数が減っている国家資格試験が多い中で、受験者数が堅調に伸びているのが司法試験予備試験。
一部の法科大学院からは受験制限も求める声がある中で、やはり時間と費用の節約になる予備試験は魅力的だ。司法試験・予備試験サイトはこちら
なお、受験者数が伸びている司法試験予備試験だが、合格率は4%前後の年度が多い。旧司法試験と異なり、口述試験で不合格になるケースもあるが、論文試験の合格=最終合格といっても過言ではないだろう。
過去年度の予備試験の受験者数(出願者数)と最終合格率です
(順に、実施年度、出願者数、最終合格率)
令和3年(2021年) 14,317 3.99%
令和2年(2020年) 15,318 4.17%
令和元年(2019年) 14,494 4.04%
平成30年(2018年) 13,746 3.88%
平成29年(2017年) 13,178 4.13%
平成28年(2016年) 12,767 3.90%
平成27年(2015年) 12,543 3.81%
平成26年(2014年) 12,622 3.44%
平成25年(2013年) 11,255 3.80%
平成24年(2012年) 9,118 3.05%
平成23年(2011年) 8,791 1.79%